こんにちは!
久しぶりの投稿は、映画きらきら星でお送りします!
今回は、生誕100年を迎えた映画監督・鈴木清順の代表作をご紹介します。
『ツィゴイネルワイゼン』(1980年 監督:鈴木清順)
ドイツ語学者にして無頼の中砂糺(演:原田芳雄)、士官学校教授・靑地豊二郎(演:藤田敏八)、中砂の妻と後妻(演:大谷直子の二役)、靑地の妻・周子(演:大楠道代)。
4人の男女がサラサーテ演奏の『ツィゴイネルワイゼン』のレコードを軸に、現実と幻想、生と死の境目を彷徨う怪奇幻想譚。
ここが見所:
「浪漫三部作」の後続作品である『陽炎座』(1981)『夢二』(1991)がより手作り感溢れる豪華絢爛な映画になっていくのに対し、本作はまだ抑制的というか派手なワケでもありません。
しかし必要最小限の画面から伝わってくる“音”やレコードを始めとする“円型の主題”など、映画を味わうのに十分な要素が盛りだくさん。一つ一つに目を凝らし、耳をそばだてる事で「おおっ」と感じたり「ゾワっと」したりと、五感に楽しい映画です。
野性味溢れる原田芳雄の色気、昭和初期の女性の雰囲気を見事に体現した大楠道代等、俳優陣の存在感も抜群です。常に戸惑っているような表情の藤田敏八も、ナイスなキャスティングです(本業は映画監督)。