こんにちは!
暑い日々が続きますね。夏にはやはり怪談。
今回の映画は窓を開けて団扇をあおぎながら観ると、粋な涼しさを感じれるかもしれません。
『怪異談 生きてゐる小平次』(1982年 監督:中川信夫)
旅役者の小平次(演:藤間文彦)、囃子方の太九郎(演:石橋正次)、その妻・おちか(演:宮下順子)は昔よりの幼馴染。だが小平次がおちかへの思いを口に出した事で、三人の関係に亀裂が入る。巡業先で勢いあまって小平次を釣船から突き落とした太九郎は、彼を殺してしまったとおちかの元へ逃げ帰るが、二人の前に死んだはずの小平次が現れた…
ここが見所:
『東海道四谷怪談』(1959)『地獄』(1960)で知られる名職人監督・中川信夫の遺作となった本作は、低予算を逆手に取った撮影がお見事。全編においてカメラは“ほぼ”フィックス、登場人物は三人のみ。
アッと驚くショッキングな描写や効果音など無い代わりに必要最小限のものしか画面に映さず、かえってその抑制ぶりが作品の怪しげな雰囲気づくりに一役買っており、超現実的な描写として魅せてくれます。
日活ロマンポルノの女優として知られる、宮下順子の色気っぷりも特筆ものです。
小平次は本当に死んだのか、それらは全て夢なのか。何をもって恐怖は喚起されるのか。
そんな事をつらつら思いながら楽しめる映画です。
イラスト:岩佐悠毅
誰のこっちゃなイラストになってしまいましたが、左から宮下順子、石橋正次、藤間文彦(後ろ姿なれど)です。昔から思ってきた事ですが、“目”は本当に描くのが難しい。
そして、シンプルな線であれだけ本人の特徴を捉えたイラストを描いていた和田誠さんは、やっぱり凄いなぁと改めて驚くばかりの日々です。
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