2024年1月7日日曜日

第30回 2023年の映画を振り返るアレコレ

こんにちは! 
新年、2024年が始まって、はや数日。
僕たちと、このブログを読んでくださっている貴方、みんなで良い年にしていきましょう。 本年もブログの頻度はマイペースな気がします。でも、そろそろ「毎月1日に更新」とか決めていった方が良いなと感じています。 
更新してるんだか分からないブログなんて、誰も見ませんものね…… はっ、後ろ向きはイカンな!
というワケで、今まで以上に習慣化していこうと思います。
本年も何卒、よろしくお願い致します。


さて、昨年は仕事面でも家庭面でもバタバタとしており、笑っちゃうくらい映画館へ足を運べませんでした。
観たい、気になると思った映画の半分以上も観れなかった有り様で、今年はより映画館へ足をのばし、映画文化を応援しようと決意した次第です。
2023年ベスト10を組めないくらいに新作を観れていないため、新年一発目のブログは映画に関係するアレコレを書き連ねようと思います。こういう投稿は、何気に初めてのことです。 


昨年話題になった映画で観れたのは、宮崎駿『君たちはどう生きるか』庵野秀明『シン・仮面ライダー』(共に2023。以下、『君どう』『シン仮』)くらいでした。

共に初見時は凄く戸惑った作品で、シン仮はもう一度映画館で鑑賞、アマプラで配信されたので何度か再見したのですが、『君どう』は一回観たきり。
もう一度観に行って色々考えたいと思いながら、あっという間に年を越してしまいました。 映像の密度と描きたいものの欲望に満ち満ちていて、画面に映るものを追いかけるのが精一杯という状態でした。なので観終わった後は茫然。
前作の『風立ちぬ』(2013)は落としどころがあったよなぁ(あと、宮崎監督の遺言ぽい雰囲気)と思うばかり。こんな書き方ですが、この度の映画がスッカラカンだと言いたいワケではありませんよ!? 
「考えるな、感じろ」と言ったブルース・リーの言葉そのままを行く、稀有な映画体験でした。
今年も、どこかでロングラン上映している劇場がないですかね…… 今度こそ観に行くんだけれど。


『シン仮』も、相当面食らった作品でした。
チャチいCG、アニメ臭い人物造形、盛り上がるべき戦闘シーンが暗い画面、結局エヴァっぽい精神世界描写と話の落ち着けどころ。
「これが庵野さんのやりたかった仮面ライダーの世界なのか??」と頭を抱えるばかり。
ただ、2回目の鑑賞、他のシン・シリーズとの比較鑑賞やそれまでの事を鑑みてみると「ここまで歪ながらも正直な作品ってないな」と思うようになりました。
「庵野秀明」「仮面ライダー」「シン・シリーズ」というネームバリュー、それらに期待する売り手と観客の需要、作家としての矜持と妥協点。
様々なものが組み合わさって出来た、シン・仮面ライダー。

本郷猛のパーソナリティはそのまま庵野監督と言ってもよさそうですし、一文字隼人のより明るめなキャラ作りも、監督にとっての「希望」の象徴に見えました(本作の一文字こと2号は、本当に良いキャラクターしてる)。
何より、「石ノ森ヒーローは涙を見せる」という点をきちんと描いているのがグッとくるポイントでした。
日本を代表する特撮ヒーローである以前に、人並みに苦悩し涙する、孤独なヒーロー。
 この一点だけとっても、庵野さんが仮面ライダーを描いたことは「なるべくしてなった」と思います。
いつもの鷺巣詩郎さんではなく『天元突破グレンラガン』の岩崎琢さんが担当した音楽も、最初は戸惑いまくりでしたが聴けば聴くほど好きになり、今ではシン・シリーズ一の愛聴サントラとなりました。おかげで(?)、シン・シリーズの中で最も愛着の湧く映画になったとさ。
どう話を転ばせるか期待半分不安半分といった気持ちですが、第2+1号が活躍する続編、観たいなぁ。
(それにしても、塚本晋也演じる緑川博士の若かりし日が写っている写真。髪の毛フサフサ&マフラー巻いてバイクにまたがっているその姿は、かつて木梨憲武がやっていた仮面ノリダーみたいで、シリアスなシーンにも関わらず笑ってしまいました。皆さん、あの写真の塚本さんと木梨さんは似てるって思いませんか!?) 


と、観てきた映画の代表格を書きました。
勿論、これらだけを観たワケではありませんよ!
「タランティーノは常に話題になるけど、彼はどうしてるんだろ」と時々思い出す男、ロバート・ロドリゲス監督の最新作『ドミノ』(2023)は、あらすじからしてクリストファー・ノーランぽい映画なのかなと観る前&前半を観ている間は思っていたんですが、後半になるにつれ力技&メキシコ愛に満ちてきて、抑えきれないB級作家精神に溢れた楽しい映画でした。
「凄くセット臭いけど、逆にセットをセットらしく撮ることの方が貴重だし凄いよな」なんて思っていたら○○な事になるし、劇中の音楽は相変わらずジョン・カーペンターぽくて「好きだなぁ監督」なんて思っていたら、何とロドリゲス監督の息子であるレベル君の作曲だと! 
レベル君と言えば、ロドリゲス流ゾンビ映画『プラネット・テラー』(2007)で子役として出てた子じゃないか!とビックリ。お父さんの仕事を手伝うだけでなく、担当した音楽まで似るなんて……。
とにかく「~だと思ったら○○」が多かった本作。
こういう良い意味でB級の、サービス精神たっぷりの映画をシネコンの大スクリーンで観れるのは、乙な体験というか、贅沢なもんだと感じました。


年末に滑り込むようにして鑑賞した3本の映画、前田弘二『こいびとのみつけかた』デヴィッド・フィンチャー『ザ・キラー』ウェス・アンダーソン『アステロイド・シティ』(いずれも2023)はどれも期待以上の素晴らしい出来栄え。

前田弘二監督は日本のコメディ映画をしれっと支えてくれている、有難く貴重な監督ですね。主役二人が陰気な顔してるのも、ポイント高いです(えっ)。
フィンチャーは好きな時とあまりノレないときがあるのですが、本作は好きなフィンチャーでした。
いちいち演技も画面もキメてくるくせにスットコドッコイという、上等なハッタリを魅せてくる映画でした。これもある意味コメディかな?
そしてウェスです。この人は自分の持つ色、ウェス色を極めてきていますね。画面も語り口も。
ロケーションの生々しさとセットの手作り具合が上手いこと合致していた初期~中期らへんの作品が好きではある(『ダージリン急行』(2007)が一番好きだ!)のですが、こういう風に描きたいとなると、そりゃこうなるわなと。あ、これも好意的解釈ですから!


う~む、何だかこれだけで長くなってしまいました。年々文章が長くなってきているのは悪い癖だな……。
いったん区切って、昨年観れなかった&2024年観るのが楽しみな映画のアレコレを次回に回します!

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