2024年11月2日土曜日

第36回 映画好きを喜ばせる男、黒沢清の最新作2本をレビューの巻。後半『Chime』篇。

 この記事を書いている10/23現在、天気は曇り。曇り模様の時に聞きたい音楽はサティ、観たい映画とくれば黒沢清。
というワケで、黒沢清の新作レビュー、2本目の作品をご紹介します!

『Chime』(2024年 監督・脚本:黒沢清 主演:吉岡睦雄)
料理学校で講師として生計を立てている男、松岡(演:吉岡睦雄)。ある日、生徒の一人が「チャイムのような音が聞こえる。誰かがメッセージを送ってきている」と言いだし、別の日に自害した。平凡な毎日を過ごしていたはずの松岡の生活が、「音」をキッカケに徐々に狂いだしていく……。

配信の独占販売という制作体制で作られた本作。映画館でもボチボチ上映されており、シネマ5での上映に乗っかる事が出来ました。上映時間が45分と中編規模の短さですが、その短さを活かして、最も黒い部分の「清エキス」が凝縮された形となっております。

最初のタイトルバックが料理教室の天井を映しているもので、パッと見「このメタリックなものはなんだ?」と不思議な感覚に陥ります。それがパンして、映っているものが調理風景だと認識して初めて料理教室の天井だと分かり、この不思議な導入からして只ならぬ雰囲気です。
「何か、なにかヤバい事が起こるぞ」と思わせる入り方です。
そして、生徒たちに優しく指導している松岡の姿。この時点で松岡の目に生気がない辺り、さらに不気味です。

そして、あらすじに書いた通りに進んでいくわけですが、本作は人物たちに聞こえている(であろう)「音」を際立たせるためか、音楽を基本的に流さず、調理器具や生活の場音などの「日々に溢れている音」を観客に意識させるような音響設計をしています。
包丁で材料を切る音が、包丁をまな板に置く音が、村岡の妻(演:田畑智子!)が取り憑かれたように空き缶を「ガラガラガラガラ」と捨てる音が、全てが薄気味悪い。
時々「おやっ?」と思わせる音が聞こえてきて、「これがチャイムの音なのかしらん」なんて思いながら鑑賞しつつ。

妻が取り憑かれたように~と書きましたが、今までの清映画がそうであったように、本作でも「家庭=安住の場所」ではありません。むしろ清映画においては、外界で起こっている不可解な出来事や事件ばりに「家庭=不穏な場所、休まる事のない場所」として描かれています。
「家庭を持つ事とは外へ向けたかりそめのもので、その実態は墓場のようなもの」とでも言っているかのようです。こわいなぁ。

聞こえたのか否か、中盤に村岡は「ある行動」に出ます。その時の感情が一切こもっていない表情、動作。
「あぁ、操られている人ってこう動くのかも」と思わせるほどの動きで、吉岡睦雄という役者は心底恐ろしい人だとドン引きしました。
(『Cloud』でも得体の知れない自警団メンバーを演じていて「なんだこの人は」と面食らいました。上手い人だ……)

疑心暗鬼にかられた村岡が家の中で見たもの、そして家の外を出てから見た、聞いたもの。
何が映っているのかよりも「何かが映ってしまっているように見える、何かが聞こえてしまっているように聞こえる」という描き方をしたこの一連のシーン。
このシーンで僕は「もう……もう、やめてくれぇ」と大変ゲンナリしてしまったのです。禍々しい雰囲気と音が、全身に襲い掛かって来るような感覚。
それまでのくだりも充分怖かったのですが、トドメを刺されてしまいました。

もう一回観たいと思いつつ、2日連続で観るような映画ではない(そんな事したら、数日動きたくなくなると思う)し、かといって一週間限定上映だったため、その時の1回で終わったワケですが……。嫌なもの、怖いものって頭にこびりつくものですね。
最近は『散歩する侵略者』(2017)『スパイの妻』(2020)『Cloud』(2024)など、メジャーな作品でも確かな手腕を発揮していた黒沢清監督。ここに来て、小粒ながら原点回帰とでも言いたくなる傑作を放ってくれました。
この監督は十八番演出が多いので、ともするとマンネリと揶揄されそうなものです。
しかし、どの作品もしっかりとハラハラドキドキ、時々ジメ~っと嫌~な気持ちにしてくるので、流石だなぁと新作を観る度に感心しちゃうのでした。

本作にも『Cloud』にも、ヒラヒラとなびきながら観客を恐怖へと導く
「清カーテン」の描写、ありますよ!

さぁ、黒沢清監督の新作『Cloud』『Chime』の感想を書いてきました。
ここでお気づきかと思いますが、僕は柴咲コウ主演の『蛇の道』(2024)を見逃してしまいました……。哀川翔が主演のオリジナル版は、黒沢さん作品の中でも上位に来る好きな映画なのと、大好きなマチュー・アマルリックさんが出ている(舞台をフランスにしている!)のもあって凄く観たかったんですが……。場所とタイミングが合わなかった……悔しい。
何はともあれ、黒沢清監督はまだまだ衰え知らずの監督だという事で一つ、今回の記事の〆とさせていただきます。
ではまた!

2024年11月1日金曜日

第35回 映画好きを喜ばせる男、黒沢清の最新作2本をレビューの巻。前半『Cloud』篇。

 こんにちは!
前回のブログから、もう二ヵ月が経っていました。我ながら唖然茫然。
締め切りがないというのは、恐ろしいものです。
おかげで本ブログが生きているのか死んでいるのか分からない、ゾンビのような存在と化していますね……。すみません。
加えてここ最近の内容ときたら、生存報告だとか趣味の話ばかりで、映画の話をロクにしちょらんかった!(前回は一挙レビューという形)
ブログのアイデンティティ~ッ!

なのでっ! 今回は新作をレビューしちゃうっ!
内容はっ! 今年2024年に3本もの新作を放った黒沢清監督の2本をご紹介っ!
『CURE』(1997)『トウキョウソナタ』(2008)『スパイの妻』(2020)など、マイナーなホラーから最近はメジャー大作も手掛ける黒沢監督。どんな規模であろうと「清節(きよしぶし)」を忘れずに観客をゾクゾク&ニコニコさせる、エラ~イ監督さんです。
先ず紹介する1本目は、菅田将暉と初タッグで臨んだアクションスリラーだっ!


『Cloud』(2024年 監督・脚本:黒沢清 主演:菅田将暉)
転売行為で荒稼ぎをしている男、「ラーテル」こと吉井(演:菅田将暉)の身に起こる、不審な出来事の数々。
それは、吉井の事を恨み、正体を突き止めんとする人物たちの暗躍であった……。

より良い生活のために転売にのめり込んでいく吉井の姿は、一緒にいる恋人の秋子(演:古川琴音)含めて皮肉たっぷりに描かれてます。物を買い占め、それをドカッと売りさばき、買ってもらう事で自身が世界を動かしていると錯覚している男と、それに引っ付いておこぼれを頂かんとする女。現代らしい、イヤ~な縮図ですね。
そんな彼らの周りで起こる数々の出来事は、不気味な描写ばかり。この辺りは黒沢清の真骨頂でしょう。吉井だけでなく、僕たち観客もしっかり怖がらせてくれます。

が……後半。後半からは、ハッキリ言って別のジャンル映画に変貌します!
これを「映画」というハッタリ前提の娯楽における冗談だと思うか、はたまた「何だこりゃ、ふざけやがってる!」と怒るかは、あなた次第。
僕はあまりの変わりっぷりに、良い意味で笑うしかありませんでした。
「結局、○○したかっただけじゃん!」みたいな。
あまつさえ、1ショットだけ雪が降りだす始末。意図的にと言うよりは、そのシーン撮ったらたまたま降ってきた&効果的だから映しちゃえ! みたいな感じで。
黒沢さん、映画の神様に好かれまくってます。

そして黒沢映画と言えば、ロケ地。今回もまた素晴らしいロケーション(廃工場)を見つけてきています。
毎度毎度こんな面白い場所を見つけてくるなんて、黒沢さんはマニアなんでしょうか。
吉井たちが都会の喧騒から離れて暮らし始める湖畔の家もいい塩梅の静けさと不気味さをたたえています。若いカップルがあんな所で暮らし始めると、住む側も地元側も気が気じゃなさそうですが。

最後に、無精ひげを生やして転売ヤーを演じている菅田将暉も良いのですが、本作は周りの役者も良い顔ばかり。転売票の先輩・村岡(演:窪田正孝)、吉井が表向き勤務をしているクリーニング工場の社長・滝本(演:荒川良々)、吉井を逆恨みする青年・三宅(演:岡本天音)、吉井粛清グループの男・矢部(演:吉岡睦雄)、そして恋人だから、という理由以上に神出鬼没な存在である秋子。
みんなどこか不気味で、かつ存在感がある。顔の系統が似ているのか、窪田正孝と岡本天音をゴッチャに観てしまったのは、ここだけの話です。
名前はよく見かけるけど意識して演技を見ていなかった人たちばかり(古川琴音と荒川良々を除く)だったので、「良い役者じゃ~ん」と(エラソーに)思いながら観てました。吉岡睦雄さんの得体の知れなさなんて、フツーに怖いし。
なんとなくなんですけど、黒沢さんは魚顔の人が好みだったりするんでしょうかね。

と、長々と『Cloud』について書きました。スリラーとしてのツボも押さえつつ、清節(きよしぶし)も盛り込まれた、実にオイシイ映画となっております。
取っつきやすさもあるので、黒沢清に慣れていない方にもオススメの映画です!

※1本目のレビューが長くなったので、もう1本は次回にアップします。
もう1本は、より「ザ・黒沢清」印の、気持ち悪~い映画(誉め言葉)です。

黒沢清と言えば、カーテン。
イラストで描くのはムズイので、自宅のカーテンで真似事。

2024年8月30日金曜日

第34回 ここ最近観た映画たちを一気にレビュー!の巻。

 こんにちは!
台風10号のため、図らずも5連休を頂戴する事になった岩佐です!
連休初日の木曜日は、ダラダラ過ごす事からスタート。
このままではいかんと発破をかけて、ブログ書きに臨んでいる次第。

前回はスヌーピーと押切蓮介さんという僕の推しについて書いたのですが、元々このブログは映画の紹介ブログじゃないか!
このままではいかんと(2回目)、今回は手短ながら最近観て印象に残った映画たちのレビューをしちゃおうと思います!


『夜明けのすべて』(2024年 監督:三宅唱 主演:上白石萌音 / 松村北斗)
2024年に入って、最初に好きになった映画です。
人には言いづらい悩みを持つ2人の男女が、慣れ合うでもなく恋愛に発展するでもなく、互いの事を思いやって支えていく。そんな物語です。
主演の二人は既にメジャーな存在ながら、世俗に疎い僕は本作で二人の良さを発見しました。気張り過ぎない存在感が実に良き、です。
そして三宅監督の眼差し。まるで星空のように様々な光が明滅するこの世界で、大小様々な悩みを抱えて生きる人たちに寄り添うかのような目線で描写しています。
画面に映る風景も単に「街並み映してます」ではなく、人物たちが「一歩一歩を踏みしめて生きている場所」というこれ以上ない映し方であり、流石のストリート感覚だぁと思うのです。


『オールド・フォックス 11歳の選択』(2023年 監督:シャオ・ヤーチュアン)
バブル期の台湾。お金を貯めて、いつの日か理髪店を開業する事を夢見る親子、タイライとリャオジェ。慎ましく生きる二人をよそに、バブルの波が容赦なくやって来る……。
お人好しである父タイライと、腹黒いキツネと呼ばれる地主のシャ。二人の大人を軸に、どう生きていくのかを選択する少年リャオジェ。
少~し『ゴッドファーザー』のような、裏社会ものの匂いも漂う本作。ただ、悪役と呼べる人物はおらず、生き方の選び方が異なる人々を映しだし「それが正解なのかな」「あの時の選択で良かったのかな……」と観客に問うているような感じです。観ている観客自身にも置き換えられそうな、普遍的な話でもあると思いました。
雨に濡れる台湾の街並みがどこか懐かしく、そんなところも、本作が遠いようで近くに感じられる所以かもしれません。


『ルックバック』(2024年 監督:押山清高 主演:河合優実 / 吉田美月喜)
もともと原作コミックを妻の典子さん(以降、カミさんと記す)が持ってた&音楽がharuka nakamuraだった&何だか評判になってる、という理由で観に行った本作。
いやー、ビックラこいた&泣いた泣いた。一体なんなのか、この化け物映画は。
「漫画を描く」二人の少女が進んだ道のりを描いた本作は、クリエイターであろうとなかろうと響く物語ではないでしょうか。目の前には見えないけれど、目標、否、その人の背中を追い続けてあがく。努力、頑張る、というよりも、あがく。
人が生きる上で持っているであろう普遍的な感情を、圧倒的なアニメ力で描き切っており、原作の凄さをアニメの凄さでプラスに持って行った、原作と映画化の理想的な結婚と言っても過言ではないでしょう。
ちなみに、主役を演じた河合優実さん、吉田美月喜さんの事も、本作で知りました。凄い演技でした。正に役そのもの。彼女たちは、ドラマや映画に引っ張りだこなのですね。
嗚呼……疎いってのは、良いも悪いも一長一短。
(鑑賞後、藤本タツキを追いかけたい衝動に駆られて短編集や『チェンソーマン』を読破、アニメ版も鑑賞しました。いやー、この人のセンス、好きだわぁ)


『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』(2023年 監督:エドアルド・デ・アンジェリス)
映画館でこんなに硬派な戦争映画を観たのは、久しぶりな気がします。しかも極力CGに頼らずセット中心で撮るというアナログっぷり!
さすがヨーロッパ最大級の映画撮影所、チネチッタを有しているイタリアです。
(何だかここ数年、ロケやCGではなくセットメインで撮っている映画を観ると、それだけで好感度あがるんですよ)
潜水艦バトルよりも乗員たちのドラマに主軸を置いており、屈指の名場面はフライドポテト。さっすが、食の国イタリアは違うねぇ!
骨太な映画をお探しの方、これは必見ですよ!



4本一気に紹介してみました。どうでしょう、何か気になった作品、ありましたか?
『マッドマックス フュリオサ』
『越後奥三面 ~山に行かされた日々~』
『お母さんが一緒』
『クレオの夏休み』
『風が吹くとき』
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』
『THE FIRST SLAM DUNK』(以下、ファースラ)
『墓泥棒と失われた女神』
などなど、他にも素晴らしい映画たちを観ているものの、文章量がドエライ事になりそうなので諦めます。
ファースラがすんばらしくて、現在原作コミックをレンタルして読んでます。
大昔に読んだ事あったけど、いやー、改めて面白い漫画ですね。魅せ方が上手すぎる。アニメ版もこの流れで観ちゃうか……?


また次回、こんな感じで紹介記事を書けたらと思います。
……推しの記事もね!

2024年8月1日木曜日

生存報告。またの呼び名を、推し活まっただ中

 こんにちは!
今回も雑記的な内容です。すみません。
映画レビューは、一体いつ復活するのでしょうか(無責任極まりない言い草)。

ここ最近は自宅でも映画館でも映画を鑑賞するのが減っている気がします。特に自宅。
引っ越し前は1日一本、それがダメなら2~3日に一本を鑑賞目標としていたものですが、それが全然できてない!逆にスゴイ!
理由は明白で、仕事疲れと「帰宅→晩ご飯→風呂→そこそこ遅い時間になる→グダグダして寝る」という流れが出来上がってるからでしょう。
まぁ、映画も無理して観るもんでもないと思ってはいるのですが、先日アマプラでアニエス・ヴァルダの『冬の旅』(1985)を鑑賞中にコックンコックン来てしまったのには愕然としました。めちゃ観たくて気合を入れて臨んだというのに。疲れてんな、俺……といった心境。
ただ、仕事自体は人生史上いちばん楽しく良い環境で働けているため、そこら辺の不満は皆無なんですけどね。


映画もままならない、疲れがすぐに身体に出てくる。そんな身を癒すもの、それは……推しの存在。そう、大分へ越してからと言うもの、かつて自分の中にあったオタク的な気持ちがムクムクと湧き上がってきたきたのです。
今、僕が推しているものたち。それは、モトーラ世理奈、スヌーピー、押切蓮介、有馬かな、アイシナモロール!(敬称略)

大分駅にはスヌーピーショップがあるため、通勤帰りにサクッと覗いて服を買うことが多くなってきたんですね。
かつて幼稚園時代、将来なりたいものを尋ねられて「スヌーピー」と答えた僕なので、スヌーピー熱が再燃するのは時間の問題だったんでしょう。
ただピーナッツの世界観に詳しいとか他のキャラクターたちも好きという事ではなく、単純にスヌーピーの衒いのないシンプルさ、可愛さ、クールさにクラクラきちゃってるみたいです。
特に好きなのは、スヌーピーはスヌーピーでもサングラスをかけて大学生設定(あくまでスヌーピーの中で)になっている時のスヌーピー、「ジョー・クール」です。
彼はホントにクールな奴です。スマホケース(カバー?)、タンブラー、ポーチ、メモ、Tシャツ、パーカー……身の回り系統のものをジョー・クールで固めている昨今です。
先日、ファミレスのジョイフルへ行ってきました。何故って?スヌーピーとコラボしているから!
これまでコラボカフェ的なものに「ふ~ん」という反応しかしてきませんでしたが、いざ自分が推す側になると周りの光景がキラキラ見えてくる不思議。コラボメニューも旨い旨い。ついでにエコバッグも購入。満足高し君です。

のぼりだけで侮ってはいけない


普段はパフェを食べないが、この度のは美味し

店内もスヌーピー尽くし
  
スヌーピーに料理を運んでもらいたかった人生


高校時代に『でろでろ』『ミスミソウ』と出会ってからハマった押切蓮介さんですが、『ハイスコアガール』を途中離脱していたため追っかけていなかった時間も長かったのですが、実家に残しておいた『ピコピコ少年』シリーズを読み返すとやっぱり面白くて、そしてネトフリでアニメ版『ハイスコアガール』も観れるようになったため、彼の漫画もドカドカ集めだしました。
押切節とでも言うのか、独特の言い回しがクセになってタマランのですよ。

「赤ちゃんハイハイ鬼ごっこ」という
キラーワードよ……
ゲーム人間じゃないけど、
ピコピコ少年感覚はスゴイ分かる

多作故に話題にならなかった作品もある押切さんの作品。
中でも『焔の眼』は自身で自虐的な振り返りをしてるくらいの作品ですが、いやいや、熱量も魅せ方も素晴らしかったですよ!
漫画をリアルタイムで追いかけるなんて最近なかった事ですが、『ハイスコアガールDASH』は早く続きが読みたくて堪らない漫画です。
元々、前作の『ハイスコアガール』ではメインヒロインであった大野晶よりも、もう一人のヒロイン日高小春の方が好きだったんだぁーっ!なので、彼女が主役&先生になって奮闘する本作が面白くないワケがないんですよ!日高先生、最高っス!

いま、個人的に一番アツい漫画


って、そこそこの文章量になったな……。
次回は他の推しについて書こうと思います!
岩佐悠毅、元気に生きてますよ~!

2024年7月1日月曜日

映画に留まらない、最近のこと。

 こんにちは!
6月に投稿出来ず、今回も映画の感想投稿ではありません!
そう、スランプというヤツに陥ってしまったのです。楽しみにしていらっしゃる方、ごめんなさい。

自分でも分かってるんですが、なんだか身構え過ぎてるんだと思います。
「〇月だし、こういう映画がいいかな……」「絵を描いてもらうためには早めに本文書かなきゃ……」「今回は自分で絵を描こう。どこの場面にしようか。ムズイな……」「……できない」
一つの事が遅れると雪崩式になってしまうという典型的な例ですな。改善したい。
つまり、来月~再来月くらいに書くものの検討をつけておくことが大事なんですよね。ホヤホヤの最新作をレコメンドするワケでもないし。
ただ、こういうのを生業としている人たちの早さ、フットワークの軽さを改めて感じさせられますね。精進します。



このままでは反省文だけで終わってしまうため、ここ最近の生活の色んなことを書こうかと思います。
『ミスミソウ』『ハイスコアガール』などで知られ、夏には『サユリ』実写映画公開も控えている漫画家の押切蓮介さん。高校生の頃『でろでろ』『ミスミソウ』にハマって読んでいた人でしたが、京都生活では追いかけずにいました。

が、大分へ戻ってから押切ブームが再燃しており、空いた時間はもっぱら過去のライブ配信を聞いています。
漫画もそうなんですが、押切さん独特の言い回しがニッチで珍妙でクセになるんですよ。
常連と化している親友・山田さんのヤベー友だち感も「うんうん、こういう人おる」と思わせてくれます。
ネットフリックスに加入して『ハイスコアガール』のアニメも観れる今、読んでいない作品も多くあるので「押切蓮介がアツい!」といった感じです。


そう、一週間前くらいに、とうとうネトフリ加入を果たしました。
キッカケは『スコット・ピルグリム takes off』を独占配信してるから。
実写映画版のファン&原作のコミックも購入してスコピルワールドに浸っていた(ゲーム版もよっぽど欲しかったけど、海外サイトで方法分からん&経済事情により断念)ら、ネトフリでアニメ版を作る&独占配信をするって言うじゃありませんか。
しかも声優陣は実写時の豪華キャスト、音楽担当はゲーム版のAnamanaguchi(アナマナグチ)、そして製作は『マインド・ゲーム』(2004)『犬王』(2022)の湯浅政明監督が立ち上げた制作会社、サイエンスSARU!
期待するなという方が無理な話で、我慢できずに加入!

元々日本のアニメ、漫画、ゲームに影響されて描かれたコミックが、日本のアニメ会社によってアニメ版が作られる……感慨深いです。
ほとんどのスタッフが日本人なのみあってか、スコットたちのデザインもより可愛らしい感じだったり、OPのアニメーションのノリがジャパニメーションらしくて(何だったら、湯浅さんのTVアニメ『ケモノヅメ』(2006)『映像研に手を出すな!』(2020)に似たカットもある)何だか不思議な感覚に。
まだ途中までの視聴ですが、原作や映画とは全然違う物語なので予想がつかない!
「アナザールートの『スコット・ピルグリム』」という楽しみ方で満喫しております。

『アイリッシュマン』『Mank / マンク』『最後の追跡』など、観たかったけれど独身配信状態だったネトフリ製作の映画たちも、これで観れると思うとウハウハ気分。
てゆーか海外みたいに、ネトフリ映画もソフト化してくれよぉ!(怒)
ネトフリ作品で円盤になってんの、キュアロン監督の『ROMA/ローマ』(2018)と湯浅さんの『DEVILMAN crybaby』(2018)くらいじゃんか!
……何とかお願いしますよ。せめて、スコット・ピルグリムだけでも。

2月に10本、3月に9本、4月に15本、5月に4本、6月は8本。
大分市へ越してきてからの、映画館での鑑賞本数です。何で4月はこんなに多かったんだろうか、と思うくらい観てますね。その反動か、5月と6月が少ない!
加えて、仕事から帰った後の自宅映画鑑賞の機会もめっきり減っています。
理由は単純に、仕事の疲れが半端ないんだと思います。でも嫌な疲れじゃなく、人生史上最も充実した職場なので、その満足感もあるんじゃないかと。
色々充実してると、映画を観る機会って減るんだ…… と我ながら驚いています。
上半期ベスト10なんて謳えるほど観ちゃいないんですが、印象深かった映画たちをザッと振り返りたいところです。


そう言えば、シネマ5で『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』(2024)が上映されるのをキッカケに、サディスティック・ミカ・バンドを初めて、ちゃんと聴いてみました。
スゲ~格好いいっ!
クセになる世界観!
バンドのグルーヴ感が凄まじい!
『塀までひとっとび』が特にお気に入り。映画も楽しみです。


と、駆け足の近況報告でした。
色んなものを吸収してるんだかしてないんだか、あっという間に日々が過ぎていきます。
出会ったものたちを通過させるだけにしないよう、こうやって近況報告の形で残すっていうのもアリですね!
またフラッとこういう形で投稿してみたいと思います!

2024年5月1日水曜日

第33回 『リンダはチキンをたべたい!』は、ありえない表現とリアルな描写のマリアージュ!

こんにちは!

今回ご紹介するのはフランスのアニメ映画(以下、仏アニ)です。
フランスのアニメ…… 意識しないとなかなか観る機会はなさそうです。
僕も近年の仏アニで観ているのは『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』(2015)『ぼくの名前はズッキーニ』(2016)くらいで、他は多少気になっても見逃したりというパターン。
それでも今回観れたのは、ポスターの絵とケッタイなタイトルが気になったからなのです。そして実際に観ると…… と~っても素晴らしい仏アニだったのです!

 

『リンダはチキンがたべたい!』
(2023 / 監督:キアラ・マルタ セバスチャン・ローゼンバック)

 

幼い頃に父親を亡くした8歳の女の子リンダと、お母さんのポレット。
ある日、リンダはポレットに「お父さんの得意料理だったパプリカ・チキンを食べたい」と言う。
しかしタイミング悪く、ストライキ真っ最中の街中で鶏肉が買えない。決意したふたりは、チキンを求めて波乱万丈の冒険へと赴くのだ…!

目に優しいカラフルさも魅力の一つです

字面だと凄く地味な作品ですが、その地味さ、物語のバックボーン、演出が三位一体となって一つの「凄いアニメーション」を作り出しています。

まず、本作のキャラクターたちはシンプルな線で描かれており、しかも一色ベタッと塗られているだけ。
リンダ=黄色、ポレット=オレンジといった具合です。他のキャラクターたちもそれぞれの色で分けられています。
しかも引きの画になると、そのキャラクターの色をした〇が動き回ったりする(色が、輪郭線をはみ出す!)という塩梅で、ぱっと見「色はみ出してる()テキトー?」なんて思ってしまいます。

左:寄りの画のとき  右:引きの画のとき

もっとも、この独特な作画は共同監督のローゼンバックが以前監督した『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』(2016)での経験を踏まえ、より発展させたものとなっています。

そしてこの作画は、演出意図にも合致しています。
リンダたちが住んでいる場所は「社会住宅」と呼ばれる、様々な人々が住めるように公的資金を投入している集合住宅です。
あまり裕福でない家族だったり、移民、一人暮らしの高齢者etc……。
このような舞台で動き回る人物たちを文字通り「十人十色」で描き分けているからこそ、本作のキャラクターたちは「多文化共生の国フランス」という現代を生きるテーマからブレずに存在しているのだと思います。


加えてフランスは、デモやストライキが市民の権利としてごく当たり前に行われている国でもあります。
本作のドタバタの発端としてもストが絡んでおり、単に物語のキッカケである以上にフランスという国の“現在”も描かれている事にハッとします。
地に足ついた設定から、ナンセンス極まる物語が展開されていくことが、痛快かつ愉快なんですね。

最初はリンダとポレットの二人だけで進行していたのに、終盤では伯母や警察、ご近所の友人たちを巻き込んでの大騒動に発展していくこの感じ、どこかで……そうだ、ルイ・マル監督が撮った『地下鉄のザジ』(1960)に似た雰囲気なんだ!
思えばあの映画も、田舎からパリの地下鉄を見に来た女の子が、ストのために地下鉄に乗れず街に繰り出して騒動を… というナンセンス喜劇でした。


パンフレットのインタビューを読むと、確かに参考にしている部分もあり、それどころか「アニメーション版のヌーヴェルヴァーグを目指した」とまで書かれていました。
それまでのセット中心で撮影されていた映画とは対照的に、街頭にキャメラを持ち込み、即興的に撮影した、フランスが誇る映画史の革命“ヌーヴェルヴァーグ”。
その精神がアニメーションに引き継がれたのは興味深いです。

この撮影では、まず“音”から録音したそうです。
しかも録音スタジオだけでとったのではなく、実際に外へ出て、キャラクターが取る演技を実際に俳優にさせながら録音したのです。
例えば劇中、団地内のエレベーターでサッカーに興じる子ども二人の場面があるのですが、それは本当に団地のエレベーターで子どもにサッカーをさせながら台詞を言わせているのです。
キャメラで撮影をしない以外は普通の映画の現場みたいだったと言う、驚きの手法です。
そして、録音された「生き生きとした台詞、効果音」の魅力を損なわないよう、キャラクターたちの作画も即興性溢れる、臨場感に満ちた描かれ方をしています。

躍動感を大事にした絵と音。それらは劇中何度か挟まれるミュージカルシーンで表現の真骨頂を見せていると言っても、過言ではありません。
直線的に語るだけでは取りこぼしてしまいそうなキャラクターたちの物語、背景をミュージカルが補完してくれ、とりわけ最後に歌われる、亡きお父さんの歌パートは最も脈絡なく挿入されながらもグッときます。表現かくあるべし。

このモコモコしたものは鶏。これで動き回るんで初見時は爆笑でした

今回は演出的な面から本作の魅力について書きましたが、それが全てではありません。
リンダとポレットが何故そこまでチキンを手に入れ、パプリカ・チキンを作る事にこだわるのか。
かすかな記憶を繋ぎとめるために出来ること、しておきたいことって何なのか。状況こそ違えど、誰にも起こり得る問題提起を描いています。


とは言え、先ずは本作の世界観にドップリ身を委ねることから始めましょう。
そして大いに驚き、笑い、しみじみし、チキンを食べたくなったら良いじゃないですか!


イラスト:岩佐悠毅
とにもかくにも観てみないと面白さ、凄さの伝わりづらい本作。
先ずは予告編をご覧になってみてください。

2024年4月1日月曜日

第32回 『PERFECT DAYS』を観てからの、僕のDAYS

こんにちは!
突然ですが……わたくし岩佐悠毅は、本ブログの挿絵を担当している城間典子さんと昨年結婚し、今年の2月に大学時代から住んでいた京都を離れて、故郷の大分県へ戻ってきました!
引っ越しのアレコレ、身の回りの環境への適応、新しい仕事が少~し落ち着いてきて、やっとブログに手をつける事が出来ました……。

地元の佐伯市ではなく、大分駅やトキハ(大分県が誇る百貨店)本店がメチャ近い大分市内ど真ん中が、僕たちの今の住まいです。少し(30)歩けば食べ物屋はあるし、商店街も近い、面白い本屋も映画のポスター屋もある、といった恵まれた立地。
忘れちゃいけない映画館も、地元にいた頃からお世話になっているミニシアター・シネマ5が徒歩3分。
ありがたや~。シネマ5で観た映画たちも、ドンドン紹介していきたいですね。

今回ご紹介する映画は、離れる前の京都で1回、大分へ越してきてから1回と(今のところ)合計2回鑑賞し、アカデミー賞も受賞してホットな話題を振りまく『PERFECT DAYS(以下、パーデイ)です。

PERFECT DAYS(2023 / 主演:役所広司 / 監督:ヴィム・ヴェンダース)
渋谷の公共トイレ清掃員・平山(演:役所広司)の淡々とした日常を丁寧に追う本作。

大好きなヴェンダース監督が、『東京画』(1885)『夢の涯てまでも』(1991)以来、本格的に東京の街を撮ると聞いて、ワクワクが止まらず、期待大にして映画館に向かいました。が……何だろう、この違和感。この映画が評価されるのは分かるし、事実「良い映画だな」とは思うのですけれど、何だかな~な部分も感じたのでした。
とりあえず本作で感じた事を書き連ね、それでもこの映画から受けた影響、考えを書きたいと思います。

平山の日常は「流れ」として完成されており、ルーティーンが映し出されていく中で「平山が大切にしている事」「周りの環境」が見えてきます。それが……。

思わず「悟ってんのか」と言いたくなるくらい自分の世界・生活に準拠している平山はともかく、周りの人物たちのキャラクターがいかにも作り物くさく、作り手側が言っている「平山のドキュメンタリーのつもりで云々」が白々しく聞こえてしまうのです。
特に平山の同僚であるタカシ(演:柄本時生)の軽薄な若者像は、観ているこっちが「(演じてる)時生かわいそうだな…」といたたまれなくなる始末。
本作に限らず、口癖のある人物を描く時って凄くキャラクター感が出てしまう場合が多いと思います(『シン・仮面ライダー』とか)

人物に留まらず、平山の路駐自転車描写とか田中泯扮するホームレスの描写など、現実の東京なら「即アウト、撤去もんだろ!」とツッコみたくてしょうがない!
野暮な見方だと思うものの、こういう細かい部分が嘘くさいと、映画全体が嘘っぽく見えて勿体ないなぁと。


劇中で平山は、姪っ子のニコ(演:中野有紗)に対して「この世界は、本当はたくさんの世界がある。繋がっているように見えても、繋がっていない世界がある」と語ります。
これは平山の背景にも重要な意味を持ってくる台詞なのですが、この台詞がある事によって、逆に平山の世界が凄く閉じられたもののように感じられたのです。

平山の徹底した生活は、外部からの「世界の持ち込み」を歓迎しません。行きつけの銭湯や居酒屋のテレビから流れるのは野球や相撲ばかりで、日本や世界の現状は伺えない。
本こそ読むけれど、映画なども観に行かない。これまでの作品で映画愛を謳ってきたヴェンダースが「映画」を持ち込まなかったのは、「もう一つの世界との出会い」を徹底して除こうとしたのだと感じました。
(同じ時期に観たアキ・カウリスマキの『枯れ葉』(2023)とは、その意味で凄く対照的です)

この映画の中での「世界」との繋がりは人と人との間にしかなく、だからこそ日々をキッチリと過ごす平山が、思わぬ人物と出会ったりコミュニケーションを取る際にうろたえたりするのかな、とも感じました。
もっとも、そのうろたえた時に平山の“人間らしさ”が見えてきて好印象なのですが。


と、色々と文句じみた感想を書きましたが、だからといって嫌いになれないのが本作、というかヴェンダースの映画。素直に「良いなぁ」と思える点もやっぱりありました。

先ずは映像。
ヴェンダースの映画に映る都市は、いつだって異世界。見慣れた光景が映し方ひとつ変えるだけで初めて見るような感覚に陥ります。
早朝の淡い光に包まれた東京の画、車を走らせながら通り過ぎる光景、カメラを向け、日々変化する木漏れ日を撮る瞬間。
写真家の森山大道に深く共鳴するのと同じように、僕はヴェンダースの映像に、その狩人のように風景を切り取っていく視点に共鳴します。

平山がニコと自転車を走らせるシーンは、役者が映っているシーンの中で最上の場面ではないでしょうか。ここにはヴェンダースお得意の即興感溢れるキャメラと、眩しいほどの役者と風景の融合が見られます。

劇中は自転車2台が光の中を並走します。それはそれは美しいシーンなのです。

そして音楽。
極論させてもらうと、平山の日々を音楽のみで語らせる事も出来たのではないかと感じるのです。
それほどに本作に流れる音楽は平山を、映画の時間を代弁しており、台詞以上に雄弁です。
(ルー・リードの『PERFECT DAY』の使われ方は、いかにも俗っぽくて初見時は「ありえない」なんて思いましたが、2回目に観るとその俗っぽさが平山の人間臭さに繋がっているようで微笑ましく観れました)

映画の時間に寄り添った選曲。これは良い意味でも悪い意味でもPV的な使い方です。
実際、今までのヴェンダース映画以上に使われ方が俗っぽいんですよ。キンクスとか、ニーナ・シモンとか。
しかし、こういう使い方って僕たちが日常生活にやってしまいそうな選曲だなって思ったときに、逆に「今まで以上に作る側と観る側の距離感を近くに感じさせる曲選びだな」と感じたのです。そう思うと、「こういう使い方もアリなんだ!なるほど~」と感心しました。


ヴェンダースは本来「脚本の映画」よりも「撮影の映画」を撮ってきた人であり、本作は(個人的に)「脚本の映画」部分が少し強かったような気がします。
人物の会話になると、どうしても脚本以上のものが見えてこず、それが世界観の狭さに見えてくるのかもしれません。
ただ、自転車、車、そして影踏みと、何かが“動く”シーンになると途端に良く見える。それは脚本の束縛を乗り越える“運動”故に生じた映画の感動なのでしょう。
不満点も多いけれど何だか憎めない。僕がパーデイに思うのはそんな感情でした。


ただ、都会での新生活を始めた身からすると、日々を慣らしていく意味も込めて、平山のように日常を「流れ」で過ごせるようにしていこうと、少なからず影響を受けているようなのです。
「洗濯物を回し、干す」というのを出勤前にすることで生まれる早起き。開拓中だからこそ生まれる新しいお店との出会い、常連化。スマホをなるだけ見ず、読書に割り当てる時間。思い切りオフを楽しむために足を運ぶ本屋や映画館……。
本作を観て以降、京都生活でも心がけていた「生活のリズム、オン・オフ感」を、より意識したように思います。

物欲にまみれた自分には平山のようなミニマリストにはなれそうもありませんが、日々のリズムを意識的に作ってみたり、自分の中で大切にしたいものをハッキリと表明させていくことは出来そうです。

パーデイのチラシを自分流に描きました。難しいポーズ!

イラスト:岩佐悠毅
新生活の気分を、僕の分身ことマスター君に乗せてみました。
自転車って、描くの難しいですね。